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「空の境界」第一章 俯瞰風景 を見てきた [芸能とか映画とかテレビとか]

昨日(12/22)の夜にテアトル新宿で「空の境界」第一章 俯瞰風景 を見てきた。

原作は講談社ノベルズの上下巻で読んでいて、最後に読み込んだのが多分もう1年以上も前。 だから、設定やストーリーは判っているけども、細かな演出や文書上での描写、セリフ回しは正確には覚えてなくて。 かと言って、映画を見る前に原作を読み返す事はせずに映画を見てきた。 自分の性格や感性を考えると「背景や設定は頭に入っている程度」というのが丁度良いような気がしたから。 その判断は正解だった。

でも、その事は「映画は原作とまったく違った」とか、あるいは否定的な意味ではなくて。 見ている最中に無意識に比較してしまうという余分な思考が発生せずに、没頭できたという意味で。

第一章 俯瞰風景。 ノベルズでわずか44ページの物語で、原作では演出的な意味で時系列が細かく分断され前後を入れ替えられている複雑な構造の物語。 熱を持っているわけではない、激しく動くわけでもない、どこか空ろな、でも深い空ろさを持った物語。

第一章 俯瞰風景では背景の多くは語られず描かれず。 あるのは、一つの出来事だけ。 だから、物語や背景が極めて判りにくいのは充分承知。 そこで判らないまま「これはこのようなものだ」と一時的に理解して積み上げたとしても、小説であればすぐに次の第二章や第三章へ読み進められるので解決はできる。 現在上映中の映画では先の公開を待たなければならない。 タイミングによっては1ヶ月後にもなろう。 謎解きが主題であればそれもアリだろうけど、空の境界はそうではないから。

かと言って親切丁寧な言葉を追加して説明するような事はしていない。 それをやってしまうと、たぶん別のものになってしまうだろうから。 ほんの幾つかの情景を描いて、その情景を見せる時間を加えただけ。

でも、それで良い。 空の境界なんだから。

ストーリも演出もまったく不満は感じなかった。うん。 セリフは若干省略されたり変更されていたようだけど、原作のセリフは一聴しただけでは判りづらい言葉も多いし、違和感や不足感も感じなかったから妥当な処理に思えた。

映画で追加された巫条霧絵との前哨戦と、ビル屋上でのアクション。 第一章を単品としても成立させるために、なにより式の異能さを明確に印象付けるものとしてあって良いと感じた。

画は、恐ろしいまでに緻密で綺麗な背景美術だった。 現実にあるものが ある通り に描かれるというシンプルな緻密さと、そして「そうであれば美しい」と思うものがその通りに、あるいはそれ以上に描かれている喜び。 光源処理が作り出す夜の空気。 見事だったと思う。

全体を通して思い返しても、殆ど不満は感じず満足できたと言える内容だった。

強いて言えば、ほんの数箇所程度だけども色調が暗すぎてディティールが見づらかった画があった事。(もしかすると劇場環境の要因もあるのかもしれない) 巫条霧絵との前哨戦辺りで瞬間的にアングルが判りづらい画があった事。
それとエンディングロールの音楽。 DVD 辺りで見返してみると印象が変わるかもしれないけど、劇場で見終わった時点では違和感を感じたかな。

あとはあれか。 エンディングロールが入った時点で「え?鮮花は? ラストにちょろっと出るんじゃないの?」とあせってしまった点か(笑
橙子さんは雰囲気あったし。 式もあれで OK。

今度の週末には第二章の公開が始まるのが楽しみで仕方ない。 以降もあえて原作を読み返す事無く劇場へ向かいたいと思う。



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