Adobe Systems が ActionScript VM の..(その2) [Firefox,Thunderbird]
これの続き。
Flash Playerのレンダリングエンジンが提供されるわけでは無いのでWebを見るだけのユーザにはあまり影響がないことかもしれませんが、ECMAScriptの各種実装の差に悩まされてきたWeb開発者にとっては大きな朗報となるでしょう。
ECMAScriptの各種実装の差に悩まされてきたWeb開発者ってのは、その多くはサポートしたい複数の Webブラウザにおける JavaScriptの実装および Webブラウザオブジェクトの差異だと思うのだけど、そこで Adobe の Script VM コードが公開されたとして、それがどういう朗報になるのだろうか。
Adobe の VM コードが公開された事によって可能性の大小はさておき考えられる利点
- JavaScriptに強く依存している Mozilla が Adobe の JIT VM によって 現在よりも高速に動作するようになる可能性が出た
- KDE JavaScriptインタープリタ(KJS)など他の JS処理系を作っている所が、もしかしたら Adobe のコードで恩恵を得ることが出来るかもしれない
- Mozilla もサポートする Webコンテンツで JS コードを書き、なおかつ ActionScript も書く人は ECMAScript Edition 4 レベルのコードで揃えることができる
そのうち ECMAScript の各種実装の差に悩まされてきたWeb開発者によっての朗報というと... 項3 くらい? 項2 は JS の互換性を持つブラウザが増える事はとても喜ばしいことだけど、マイクロソフトの IE や Opera が Adobe のコードを採用するって話しにならないと Adobe JIT VM 公開による恩恵とはいえないし。 (採用しないまでも、クリーンルーム開発時の参照実装として使う.. のも、また別の問題を生みかねないか。 かといってコードを見るとクリーンルーム開発にならないし)
マイクロソフトも Opera も Mozilla もその他の JavaScript サポートブラウザもみんな Adobe のコードを使って実装します、Webブラウザオブジェクトも互換性を持つようにします、って話しになると幸せになる人がものすごく多いと思うけど、それは難しい話しだろうし.... いやいや、もっと詳しい人の見解を伺ってみたいところです。
主要Webブラウザの状況・・ (どの程度の準拠度があるのか判らないけど)マイクロソフトの JScript は現在 ECMAScript Edition 3 だったと思うし、Opera 9 も同じ ECMAScript Edition 3 かな。 現在の Mozilla Firefox 2.0 だと JavaScript 1.7、ECMAScript Edition 3 レベルだったと思う。 将来の JDK に含まれる事となった Rhino も ECMAScript Edition 3 だったような。
個人的には、JavaScriptに強く依存している Mozilla が Adobe の JIT VM によって 現在よりも高速に動作するようになる可能性が出た点の方がビッグインパクトかなぁ。
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